その1)博士論文を書くのに“博士論文マネージャー”という人を雇って資料全部渡して書いてもらう。
その2)博士論文の統計処理をするのに統計屋さんを雇ってやってもらう。
その3)博士論文のプロポーザルで、コミティーのチェアーがOKを出したプロポーザルのメソッドを見たら、統計処理がt検定のみだった。
その4)質的研究だと思われる研究の博士論文にメソッドのセクションがなかった。
その5)博士論文のプロポーザルのディフェンスの2週間前に、チェアーがOKを出してコミティーのメンバーに配られた質的研究のプロポーザルが5ページだった。
その6)博士課程でQualifying Examの前に取る最後の研究法のクラスで、文献データベースの使い方どころか、その存在すらも知らないという学生。
その7)同じ博士課程のクラスで、literature Reviewを書けという課題を出したら、学部生の文献要約のようなペーパーを提出してきて、literature Reviewなんて今まで書いたことがないし、誰も教えてくれなかったと言う。
その8)博士号取得資格試験のメインのペーパーで、ある学生の出したペーパーの8割以上がウェブサイトや他の文献の丸写しだった。
その9)どこやらの学部では博士課程を修了しないで辞めたお金持ちに、寄付金目当てで博士号をあげたらしいとか(んでもって未だに寄付金はもらってないんだとか)。
エトセトラ、エトセトラ・・・
直接教員が学生から賄賂をもらったという話はまだ聞きませんが、逆に学生たちの中には「高い授業料払ってるんだから博士号は取れるもんだ」と思っている気配が・・・そして、それは間違いではなく、大学院側は学生のデキが悪いからといって学生をクビにすることはできず、教員たちが何とかしてこういう学生を卒業させるしかありません。
こうして、ココでは信じられない博士号の授与者が毎年何人も生まれ、とんでもない博士論文が次々と発表されていきます。
もう辞めたい・・・
いや、名誉のために言っておくと、中には一流の大学院の博士課程の学生たちに引けを取らないような学生もいるし、何処に出しても恥ずかしくない博士論文もあります。中には・・・
はぁ、ホントもう辞めたい・・・(-_-;)
【大学教員へのイバラの道の最新記事】
> ドレイクはテーブルの男たちを順に一人ずつ見渡した。と、彼はいきなり拳を固めてどんどテーブルを叩いた。コーヒーカップが飛び上がってカタカタと鳴った。「やつはカンニングをしたんだ。太い野郎だ。あの試験は無効なんだ。やつがPh. D.を持っている限り、私の学位はそれだけ意味がなくなってしまう。……あんただってそうだ」彼はステイシーの顔を見た。
> ステイシーは呟いた。「贋博士(Phony Doctor)」
"Ph as in Phony" in Tales of the Black Widowers by Issac Asimov 黒後家蜘蛛の会1 池央耿訳
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Phony Doctor! ぶはははっ(爆)そーか、PhDはその略なこともあるんですねえ・・・いや、ウケました。
>Karine-Kさん
おめでとーございます\(^o^)/
Karine-Kさんの学位は間違いなくDoctor of Philosophyでしょう。だから、生活苦はつきもの!(え?)
アメリカ弱小大学院はもっとひどいです.
大学としても実績を出したいため、ドクターコースに入った生徒はとにかく卒業させなきゃいけないらしく、どんなに酷い頭でもレポートめちゃくちゃでも必ずAとれるし、学生がインターネットのテストバンクをチートしてても全然文句言わないし.(そもそも教授がネットのインストラクターズマニュアルやテストバンクをそのまま使うってどうかと思いますが)、とにかく茶番でしかない実情にちょっとびっくりです.
それにしても、本当にアンビリーバボーですね。理系だと(少なくとも、私の大学では)、生徒の学費や生活費+研究費はアドバイザーの研究費から支払われる物なので、出来が悪いと容赦なく強制修士修了かくびになりますが。生徒の研究結果(博士研究)は教授や大学の結果ともなりますから。私が出た大学では、生徒が学会に行く時に、「この大学のこの学科の大使として行動せよ」という命令が出ます。
公募も数打ちゃ当たる!・・・(T_T)
日々の糧は何とかなっても情熱を失くしてしまいそうな今日この頃。嗚呼。
>ナミさん
ウチだけぢゃないんですねぇ・・・ほっ(←ほっとしてる場合じゃない)
>dogさん
お久しぶりです!
博士課程にApplyするときに提出するものってプログラムによっても違うと思うんですが、ウチはWriting Sampleと言っても所詮エッセーなんです。そんなものは誰かに添削してもらえばすむ話だし。
いやでもあんまり酷い学生が紛れ込んでいたりすると、何でこんな学生を受け入れたんだ!という話になることがですが、時すでにおそし・・・
ちなみに、PhDがある大学院はしっかりしてるところだけだ、というのは大きな誤解です(T_T)
>ポスドクAさん
そうそう、学生の研究結果はその大学院の業績になります。だからいい博論はウチの大学院の名前背負ってどんどん学会で発表してもらったりパブリッシュしてもらいたいわけですが、酷いのはどうか誰の目にも止まらないようにと祈るのみです・・・
2005年の秋頃からELさんのブログを読ませていただいておりました.今回,久しぶりにブログを訪問させていただき,ELさんが学位を取得されたことを知りました.おめでとうございます!
お仕事と並行しての論文作成,教員採用プロセスなど,ELさんのブログからいつも勉強させていただいています.私もA.B.D.取得後は就職をし,仕事をしながら論文を執筆する予定でいます.その前に,12月のプロポーザルディフェンスにpassできるのか不安ですが...
学位を取るまでの過程は長く厳しく,並々ならぬ努力,そして強さが必要であることを実感する毎日です.時々,自分の力のなさに凹んで折れそうになることがありますが,逃げるわけにいかないので自分にムチ打って頑張っています.
ELさんのブログに励まされることが多い私です.何だか自分のことばかりダラダラと書き綴ってしまいました.すみません.これからもどうぞよろしくお願いいたします.
リサーチ大学とティーチング大学との違いですねぇ。うちの大学院にはGREは必要ないし、そもそもリサーチをしたくない学生のためにあるような博士課程だし、リサーチが“できない”ファカルティーがうようよいるし・・・ この夏は、また色々ありましたです。そのうち書きますが。研究にどっぷりつかりたい(T_T)
>satchyさん
ようこそ。こんな遅滞ブログにお越しいただいて恐縮です(^_^;)
そうなんです、実はこっそり博士号取れたんですが、ブログエントリーがそこまでなかなか進まなくて・・・
仕事をしながらの論文執筆は、経験上決してお勧めはしませんが、どうしてもそうしなきゃならないんなら、こんなあたしでもできたんだから、ということで励みの材料にでも使っていただければ幸いです。
>Karine-Kさん、
なんだかいつもご心配していただいて・・・m(__)m
お仲間ですねぇ。あたしも実は去年から公募に順調に落ち続けてます。はぁ。
お仕事(バイト)が楽しいなんて、羨ましい限りです。人生楽しいのが一番!(T_T)
アメリカに来て以来、近所の大学では博士課程は出来が悪いと2年以内にキックアウト(or 辞めるように勧められる)されるという話しか聞いたことなく、実際博士課程にいたけど取れずに辞めたという人がわんさか周りにいるので、アメリカの大学は厳しい!とばかり思っていました。どうにかして卒業させてくれるなんて親切な大学もあるのですね!ちょっと希望が・・・。
そうですねえ、砂漠の博士課程の大学でも途中でやめた・辞めさせられた人は何人もいましたです。でも、はい、親切な大学(-_-;)あるんです・・・
これは、ありじゃないですかね?というか、私は統計屋なんですが、こういう依頼、学科のメーリングリストにしょっちゅう回ってきますよ(某有名州立大です)。素人が適切でない分析をするよりも、専門家がきちんとやった方が全体として完成度が上がるような気がするし、医学系なんてみんなそうしてるし。
ただ私の不満は、そういう依頼のメールって「I will pay $15/hour !」とか書いてあること。論文のための分析がわずか15ドルかぁ!統計屋を馬鹿にするなぁ!
と思います。実際、そんな額で引き受け手が見つかってるのかどうかは不明です。
時間あたり15ドルなんて言う輩には、思いっきりゆ〜っくり統計計算・処理したらいかがでしょ?(笑)