砂漠の大学で学部の授業を教えていたことがあるので、シラバスの作り方(?)の基本みたいなものは一応マスターしているのですが、ココの大学は所属協会の認定更新を来年に控えているらしく、シラバスをもっと入念に作れというお達しが出ていて、サンプルで配られたシラバスを見たら20ページ!くらいあって、そんなもん誰が全部読むかいっと思いつつ、今学期は移行期だからまだそこまでしなくてもいいということなので、とりあえずはテンプレートにそってシラバス作成開始。
科目のタイトル、科目番号、セクション番号、授業日時、教員名、オフィス、オフィスの電話番号、Eメールアドレス、オフィスアワー、と。
このあたりは問題なし。
・・・と思ったら、あたしのオフィスにはまだ電話がないんでした。うれしハズカシ初出勤から一週間たってもオフィスに電話なしってあんた・・・(-_-;)
でもこれはこの次の日に出勤したらいきなりお電話がデスクの上に何食わぬ顔でちょこんといらっしゃって一挙解決。
そしてオフィスアワー。オフィスアワーって何時間くらい取らないといけないのかしら?
実はそういうことが書かれているはずのFaculty Handbookとやらを、本来なら契約の前にもらってなきゃいけないのに、まだもらってない新入り教員のあたし。
砂漠の大学では学部一科目につき週2時間オフィスアワーを取らないといけないっていう規定が確かあったハズ。でもあたしが大学院の博士課程で取ってた授業の担当の先生たちほとんどBy Appointmentだけで、決まったオフィスアワーってなかったような記憶が・・・?
考えててもしょーがないので、ProgramのChairの先生に訊いてみる事にしました。
「あなたの好きなようにすればいいのよ(←規定の時間数を知らないか覚えていないと思われる)。私はいつもBy Appointmentにしてるわ。」
うーん、でもあたし新入りだし、ちゃんとオフィスアワー作った方がいいような気もするけど、勤務のパターンが全然できてないからいつオフィスにいるかいないかわからないし・・・
と、ちょっと迷ったもののあっさりシラバスにはBy Appointmentと書いて(ピースサインは書いてません)初授業の日に学生さんたちに聞いてみることにしました。
実はこの何週間後かにFaculty Handbookがオンラインで大学のウェブサイトにあることを教えてもらって確認したら、一応週4時間くらい取るのがいいでしょう、と書いてありました(^_^;) (一科目につき4時間なのかまとめて週4時間なのか覚えていないのでまた後で確認して追記します。)
砂漠を発つ前に、プログラムの先生たちや友だちや職場のボスや同僚たちに「初めてなんだから、すっごい授業をしようなんて思わなくていいから」と口をすっぱくして言われていたので、とりあえずあちこちからかき集めた同じ科目のシラバスのいいとこ取りをしてのシラバスつくり。
自分が豪雪地帯の修士課程でその科目を取った時のシラバス、砂漠の博士課程でその科目を取ったときのシラバス、それから砂漠の博士課程での友だちが数年前から豪雪地帯のあたしが卒業したプログラムでAssistant Professorをしていて(狭い世界)その科目を教えているので、そのコのシラバス。
それに加えて、実はまだ砂漠にいるときにこの科目を教えることがわかっていたので、砂漠の博士課程で今その科目を教えてる先生(あたしが履修したときの先生はもういないので)に色々教えてもらえませんか?とメールしたら、すぐにシラバスをメールしてくれたどころか、直接会ったときには補足リーディングのPacketもホイッとくれた上に課題や授業進行などの色んなアドバイスまで、もういたれりつくせり
そして今の大学の過去のシラバス。
全部で6つくらいのシラバイ(←複数形)を並べていいとこどり、いいとこどり 独自性なんてあったもんじゃありません 他人のふんどしで相撲を取る、とはまさにこういうことでしょうか
テンプレートはいつの間にやらそっちのけ(次のセメスターからちゃんと作ります)、とりあえずCourse Description(概要)、Purpose(目的)、Learning Outcomes(学習成果?)、 をあちこちのシラバスの切り貼りで書いて、Required Texts(必須テキスト)、Course Requirements(要件?)、Class Schedule(スケジュール)、Grades(評価)、と具体的な授業内容へ。
テキストはブックストアがオーダーする関係で早目に決めなくてはならなかったのですが、今の大学で使われているテキストを読んだことがなくて、おまけにあたしが博士課程で取ったときのテキストもほんの一部しか読んでなくて、それももう4−5年前のことなので全然覚えてなくて、結局今の大学で過去にこの科目に似た科目を教えたことのある先生が両方のテキストを知っていることをつきとめて、「あっちのテキストはいいんだけどまだ表面的で、こっちのテキストの方がズバリとつっこんで書いてあるわ」という意見を聞いて、こっちのテキストに決めました(他力本願)。
こっちのテキストというのは今の大学で使われているあたしが読んだことないテキスト。決めてすぐAmazonでそのテキストを買いましたが、配達されたのが引越し後。なので引越しのバタバタでゆっくり本なんて読んでる時間は当然ナシ。ということはつまり、二日後に初授業で教えるクラスのテキストを、シラバスを作っているこの時点でまだ一ページも読んでいないという由々しき事態
それどころか、補足リーディングの準備も全くできていません。
というか、砂漠の大学では大量のリーディングPacketは学内のコピー屋さんに依頼して、そこから学生がコピーされたPacketを購入するという仕組みになっていましたが、今の大学はどういう仕組みになっているのかサッパリ。
ProgramのChairの先生に聞いてみると、この大学も学内にコピー専門の係りがあって、そこに頼むとコピーしてくれるので、それを学生にで配ればいいと。でもその先生は著作権とかが気になるので、Packetの原本一つを図書館のリザーブに置いて、後は学生がそれをコピーするなり図書館で読むなり学生に任せていると。
なるほどなるほど
しかし、あたしの場合肝心の補足リーディングの中身がまだないんです。初授業の二日前なのに。これから決めるんです・・・
なので、補足リーディングは初授業の次の週までに用意するということにして、クラスのスケジュールも(仮)ということで大まかな枠だけ作って、次の週に補足リーディングとかを全部リストした改訂版を作ることに。
評価もAオプション、Bオプション、といったオプション制度(「博士課程コースワーク」参照)が成績をつける側にとっては一番ラクだという話を聞いてはいたのですが、ココの大学でオプション制度を取り入れている先生が他にいるのかどうかわからないので、とりあえず今回は何ポイントから何ポイントまでがA・・・というトラディショナルな評価方法で。
あとは学生さんたちの個人プレゼンテーションやらチームプレゼンテーションやらも組み込み組み込み(これも「手」)。
本当はゲストスピーカーも入れたいところですが、引っ越したばかりで知り合いが誰もいないのでその「手」は諦め、でもビデオ鑑賞の「手」は使います(どのフィルムを観るかこの時点ではまだ決めてませんが・・・)。
そうこうして初授業の前日の夕方にやっとシラバスの試案ができて、それをクラスの人数分コピーして、あとは次の日の授業の内容(=どうやって4時間20分を埋めるか)を考えなきゃなりません。
ますます緊張が頂点に
と、本来ならそうなるところですが、実は自分が置かれているこの切羽詰った状況の割りには妙に緊張度の低いあたし
あたしのプログラムは学部課程がないのであたしの教えるクラスは大学院のクラスです。必修科目なので修士の学生も博士課程の学生も入り混じっています。でも、今年からこの科目を入学直後のセメスターに組み込むことにしたらしく、学生はみんなあたしと同じ新入りさん。おまけに一クラスのサイズが最大で20人のところ、あたしのセクションに登録しているのが8人!
大学院生8人相手ならなんとかなるさ〜(←学部生相手に教えた経験がトラウマになっている人)
てなわけで、次回はいよいよ初授業当日です(ひっぱるひっぱる)
【大学教員へのイバラの道の最新記事】
「先生がサボってるみたいで何か気が引けるなあ」
と言うので
「いやいや、そんなこと気にしなくていいんだよ」(笑)
と生意気を言って叱られました。あの日の夕日はやけに印象的でした。
先生が教壇に立って講義するだけが教育(授業)ではない!と信じる今日この頃です(;^_^A
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