てゆーか、Kinseyっていうタイトルを観ても全然ピンとこなくて、そしたら何とあのキンゼイ・レポートのDr. Kinseyのお話じゃあありませんか
(もじもじ・・・)いや、あの、実はDr. Kinseyってこの映画観るまで知らなかったんです。
あたしの専門でこの博士のこと知らないなんて、すっごい恥ずかしい(滝汗)
ホモセクシュアルとヘテロセクシュアルを一つの線上に並べたKinsey Scaleのことは知ってましたが、イマイチその理論に賛同しなかったので名前を覚える努力をしなかったんだと思うんです(←横文字の名前覚えるの苦手な人)
というわけで(どういうわけだ?)、この映画の主人公はセックス・リサーチャーの先駆者Alfred C. Kinsey, Ph.D.
もともとは動物学者でタマバチの研究をしてて、全米から数百万ものタマバチを集めたりしてたのが、人間の性の研究をすることに。
アメリカの公式サイトはこちら(音楽が流れます)
Indiana Universityで、助手たちとともに18,000人以上の人相手に対面で詳細なセックス・ヒストリーの聞き取り調査をして、その結果を本にまとめたのが
"Sexual Behavior in the Human Male" (1948)と
"Sexual Behavior in the Human Female" (1953)
セックスがタブー視されていて、セックス教育といえば禁欲を教えるのが当たり前だった時代に、性の解放をめざしたKinsey博士の研究はセンセーショナルだったそうです。
博士の研究結果はあれから50年たった今でもHuman Sexualityのテキストなどでたくさん引用されています。
しかし、この研究の調査対象は全て白人で、しかも映画ではセックス・ヒストリーの聞き取り調査をする助手がみんな男性だったので、もしそれが事実なら結果に疑問を投げかけたくなりますが。
それにしても、もともとタマバチなんてちっちゃな昆虫の研究をしていた博士なので、細かいところに気を配るのが得意で人一倍根気もあるのでしょうが、一人一人に521項目にもわたる質問をしてそれを記録していくだなんて・・・
あ、でもよく考えたらあたしも仕事ではそれに近いことやってるかも(^_^;)
ちなみにIndiana Universityにはセックス、ジェンダー、生殖の研究機関である The Kinsey Institute があるそうです。
映画自体はとてもよかったです。
学部のHuman Sexualityのクラスなんかで使えそう
博士の研究に対する姿勢とか情熱とかも、同じ研究者(の卵)としては色々考えさせられるところがあるし。
ラストはハッピーエンドでほんわか気分にさせられました。
日本では今年の8月に公開予定だそうです。
邦題は「愛についてのキンゼイ・レポート」だそうです。
「愛について」っていうのは個人的にはだと思います。そもそもキンゼイ博士の研究は「性」の研究なのに・・・
日本の公式サイトはこちら
【ちょっとひとやすみの最新記事】
日本でいうと奈良林先生とかモア・リポートとかそうした類のものと同じ引き出し(脳内)に入っています(笑)。
今、日本の公式サイトを見てみたら、どうやら8月27日から全国ロードショーだそうです。
それにしても何て気の利いた情報なんでしょう。公開日を教えてもらえるなんて。これで「アメリカの心理学の専門家の推奨で」と言いつつ堂々見に行くことができます。ありがとうございます(笑)。