落ち込んでても、一応やることはやってたりして(^_^;)
これ何かというと、アメリカの大学にはどこにでもあると思うけど、Internal Review Board for the Protection of Human Subjects(被験者保護のための内部調査委員会?)という学内の組織に、研究実施の許可を申請して許可をもらうというシステム。
人を対象とする研究の場合、たとえどんな小さな研究でもこのIRBの許可がないと研究できない。
この許可が、医学部の人体実験みたいな研究だけじゃなくて、あたしの所属する社会科学系のアンケート調査なんかでも必要になる。
日本の大学にもこういうシステムってあるのかなあ?
あたしが大学に行ってた頃は、アンケート調査とか勝手にやってたけど・・・?
このIRBの目的というのは、一応被験者の保護ということになっていて、研究に協力したせいで被験者に万が一何らかの(身体的、心理的、経済的などの)傷害や損害があった場合に備えて、研究チームがちゃんと病院とかの治療機関を紹介する準備があるか、被験者への同意書をちゃんと用意しているか、そして、そこまでして人を対象にする研究をする意義があるほどの研究か、をチェックすること。
それと、IRBが許可した研究に参加した被験者が、何らかのクレームを出したときに、大学側にそれを受け付て処理するシステムがないといけないので、その目的もある。
でも、あたしが思うに、このシステムの一番の目的は大学側の"Cover our butts"的な予防対策。
何せアメリカは有名な訴訟社会だから、大学教員や学生のした研究で万が一訴訟が起こっても、大学には責任はありませんよ、被験者が万が一怪我しても大学は治療費出しませんよ、ということじゃないかと。
というわけで、社会科学系のアンケート調査でも質問の内容によっては、被験者が不快な思いをしたり、場合によってはパニックやフラッシュバックを引き起こしたりする可能性がないわけじゃないから、IRBの許可が必要なんだけど、そのテの質問が全然ない無記名のアンケート調査なら、"Exemption Claim(免除申請)"ができる。
それでもプロポーザルはちゃんと提出しないといけないけど、この場合はDepartmentのChairが許可すればIRBがそれを承認するという形になる。
あ、IRBに出すプロポーザルはごく簡単なものです(あたしのは3ページ♪)。
それ以外にも、同意書とかアンケートの実物とか被験者集めのビラの実物とかそういうモノも提出しなきゃなりません。
あたしの研究は"Expedited Reivew(略式レビュー)"というので申請しました。
これは"Exempt Claim"と"Full Board Review"の中間のカテゴリーで、被験者の傷害や不快の可能性は最小限の日常的なレベルというのが条件。
ExpeditedとFull Board Reviewの違いは、Expeditedに申請するとIRBの委員会のメンバー(大学教員)のうち一人だけがそれを検討して判断を下すんだけど、Full Board Reviewはその名のとおり委員会全員が検討して許可を出す。
そうそう、大学で行う研究は学生がPrincipal Investigator(第一研究者)になることはできないので、たとえあたしの博士論文研究でもIRBの申請はCommitteeのChairの先生の名前でします。
つまり、最終的な責任はその先生が負うことになる。
しかし、前にも書いたけどあたしのCommitteはChairとCo-Chairの先生がいるので、今日はその二人の先生の時間の空きを狙って5階のオフィスと1階のオフィスを行ったり来たり・・・
やっとサイン全部揃って、後はキャンパスメールでIRBに送ればいいや、と思ってたけど、週末だし心配だったのでその足で別の建物のIRBオフィスに持参。
はぁ、疲れた(-_-;)
パスかどうかの結果は10日以内にPIの先生のところに連絡が行く予定。まあ9割方大丈夫だと思うけど、ドキドキ・・・
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