2004年11月16日

涙の推薦状

少し前に推薦状を頼んでおいた新学部の学部長の先生(K先生)から「こんなの書いて送っといたから」とその推薦状を添付したメールが届いた。
推薦状って相手方に推薦者から直接送るわけで、本人に内容を知らせる必要は必ずしもないわけだけど、こっちの人たちってちゃんとこんな風に本人にもその推薦状をオープンにしてくれる。
"こっちの人"っていうのがみんなかどうかは知らないけど、少なくともアタシの周りではそれが慣習的になってる。

アメリカではコネというのがニッポンほど通用しない。
もちろん通用する場面もあるけど、以前博士論文のChairの先生に"コネの効果"について訊いてみたことがある。その先生曰く「コネを使って"プレッシャー"かけられてくると逆に印象悪くなるから、そういう人は採用しない」ってキッパリ。
だから推薦状って言っても、"誰が"推薦してるのか、つまり推薦人の地位とか名声よりも、その推薦状の内容が重視される。
いや、もちろん"誰が"推薦してるのかも大事だからそれなりの地位とか名声のある人に書いてもらうんだけど、相手はその推薦者の地位と名前だけで推薦されている人(被推薦者)を盲目的に採用したりはしない。
推薦状に書いてある内容、つまり推薦人による被推薦者の人物評価なり業績評価なりをちゃんと見る。
だから推薦状を読んで被推薦者のことが見えてこないような、型どおりの表面的な推薦状では役に立たないし、推薦者は書いた内容に責任を持たないといけないから、お世辞やいい加減なことを書くわけにもいかず、被推薦者のことをよく知ってる場合はいいけど、あまり知らないとかなり苦労することになる。
あたしも日本で仕事をしていた時や、こっちの学部課程を教えていたときに、何度か推薦状を書いて欲しいと頼まれたことがあるけど、一度よく知らない人からの依頼を引き受けてすっごい後悔したことがあります(>_<)

で、今日メールで届いた推薦状をオフィスで読んで、仕事中に涙が出そうになった。
こんなにもあたしのことを見てくれて評価してくれてる・・・
excel、brilliant、superiorなんてホテルの部屋に使われるような(笑)、こそばくなるような言葉が並んでた。
推薦状だから褒めるのは当たり前なんだけど、それにしたってそこまで言ってくれなくても・・・(照)
何よりも嬉しかったのが、Qualifying Exam(博士号取得資格試験?)であたしが書いた論文とその発表のことを"one of the best I have seen in my 25 years as faculty"(25年の大学教員歴で一番素晴らしい論文発表でした)って言ってくれたこと。
そりゃ外国人留学生としてはまあ頑張ってる方かなとは思ってたけど、他のアメリカ人と肩を並べてこんな風に言ってもらえるなんて思ってもみなかった。

早速お礼のメールを送ったら、「一番書きやすい推薦状の一つでしたよ」と返事が返ってきた。

しかも、このK先生まで東海岸のプログラム・ディレクターの先生にメールしてくれて、"She is a total winner."とか"I would hire her in a minute."とか言ってくれて、もう感謝感激。
特にこの先生はお世辞を言う人じゃないから余計に嬉しかった。

今まで頑張ってきて本当によかった。
そして、この推薦状が"ウソ"にならないように、これからも、もっともっと頑張らなきゃっ。
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