あちこちで空きポジションは出てきてるんだけど、コレっ!というのになかなか巡り会わない。
本当は選んでる場合じゃなくて片っ端から応募するべきなのかもしれないけど、もう南部はコリゴリさん。
もっとリベラルなところ、東海岸とか西海岸とか北の方に行きたい。しかも、都会がいい!
研究内容とか自分の"ウリ"を考えても、保守的な土地や白人社会や田舎は合わない。
修士課程のときには東海岸、今回博士課程では真ん中、次に西海岸に行けたらアメリカ大陸を網羅できるなぁ、なんて勝手なことを思ってたら、この前アメリカでの就職を勧めてくれた先生が西海岸にAssistant Professor(助教授?)のポジションがあることを教えてくれた。
そこのプログラムのディレクターが何とうちのプログラムの卒業生で、その先生もよく知ってる(教え子?)らしい。
調べてみたら、これはもうあたしのためにあるんじゃないかと思うような内容!(^_^;)
求人の内容があたしのウリや希望とおもしろいくらいピッタリ一致する。
しかも、何とその大学ってばニッポンに分校みたいなのがある!!!
早速その先生が(頼みもしないのに・笑)向こうのディレクターにメールしてくれて、「○○という学生がそちらのポジションに興味があるんだけど、日本で教える機会なんかある?」と訊いてくれた。
そしたらそのディレクターの先生、この前出版になった本のことを知っていて、「その学生ってあのChapterを書いた人ですか?是非応募するように勧めてください。私は日本のプログラムの担当じゃないけど、まず大丈夫。実はこの夏は、私が日本に行って教えたんですよ。」という返事が来た。
あたしが書いたChapterのことを知っててくれて、すっごい嬉しかった。
ただ一つ気になるのは、そこのプログラムにはどうやらTenure制度(永任権)がないみたいだということ。
しかも修士課程だけのプログラムで博士課程がないし。とういことはつまり、研究にあまり力を入れてないかもしれない。
まあ、いいや、そのあたりは後で考えよっと。
実はココのポジションの前に東海岸の大都会にもAssistant Professorのポジションがあることを見つけて、応募することにしたんだけど、そこもやっぱり博士課程がなくて修士だけ。
うちの博士論文のChairの先生はDepartmentのChair(学部長)で、Departmentの雇用関係の責任者みたいなもんだからそのあたりのことには詳しい。相談してみたら、募集内容を見て「これは"研究者"より"先生"を募集してる感じだなぁ」とひと言。
その先生によると、"No job is better than some job."
つまり、この手の"先生"の仕事をするようになると、研究の時間がほとんどないし、博士課程がないということは研究を手伝う学生もいないということで、いざステップアップをしようとしても肝心の発表論文がなくて、動けなくなることが多い、ということらしい。
なるほどねぇ、しかもあたし大人数を教えるのってあんまし好きじゃないからなぁ(;^_^A
と迷っていたら、これまたさっきのアメリカでの就職を勧めてくれた先生(R先生)に「練習だと思って応募しなさい」と言われて、ほとんど無理やり応募させられるハメに(笑)
そんなわけで、応募書類の準備。
アメリカでは最初の書類はたいていカバーレターとCV(Curriculum Vitae:履歴書)と推薦状三通と研究業績(論文)のコピー、だけでいい。
しかも、ニッポンみたいに各大学によって書式が決まってるということもないからラクチン。
一つ作れば、あとはカバーレターだけちょこちょことそれぞれのプログラムに合うように修正すればいいだけ。
このカバーレターっていうのは、ニッポンの「応募書類を同封しましたので宜しくご査収ください」みたいな形だけの添え状じゃなくて、これまでの経歴をまとめて、その上今後の研究や教育の目標とかも書かなきゃいけなくて、所謂応募書類の目玉。
友だちやうちの職場のボスにCVやカバーレターを見せてもらって、それを見本にしながら書いたら、R先生が見て(激しく)修正してくれた♪
推薦状は、東海岸のプログラムは推薦者三名の名前と連絡先だけでいいらしい。西海岸の方は実際に推薦書が必要なので先生達に頼んだ。
R先生が三通以上送ってもいいよと言うので、博士論文のChairの先生、うちの元プログラム・ディレクターで新Departmentの学部長の先生、R先生、うちの職場のボスと大ボス(ブッシュ政権のなんちゃら委員会に任命されているエライ人)、全部で5人の最強メンバー!に頼んだ。はっはっはっ(←高笑いしてるらしい・笑)
そして研究業績。これはこれまで出版した論文のコピーを送ればいいんだけど、三点もあればいいんじゃないかって言われてる。もちろんそのうちの一点は自分が主著のものがあった方がいい。
これがニッポンの大学と違うところなんだけど、こっちでAssistant Professorのポジションと言えば、博士課程の新卒者のポジションで、これまでの業績ってもちろん大事なんだけど、今後のポテンシャル(可能性)も見てくれる。
つまり、雇う側に新卒者を育ててやろうという気があるということ。その分、面接が丸二日掛かりで、ものすごいインテンシブだけど。
その点ニッポンの大学は、非常勤講師や助手から積み上げないとダメな感じ。面接なんてあっても20−30分の模擬授業と10分程度の形だけの面接だし。どこの馬の骨かもわからない人間にはチャンスはくれない・・・
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