2004年08月17日

それでも帰りたい

(この記事は引っ越しヴァージョンです)

うちの博士課程プログラムの学生二人の送別会が教授夫妻宅(夫婦揃ってうちの教授)で開かれた。

その学生のうち一人は韓国人であたしと同級生(?)。年がひと回り近く下なので、妹みたいにかわいがってたんだけど、この夏に結婚して、カリフォルニアの旦那の所に引っ越して行く。彼女はココで修士課程から始めて去年の夏に修士を取ったばかりなので、Qualifying Exam(博士号資格取得試験?)の真っ最中で、博士論文もこれからなんだけど、残りは遠距離でやることになる。でも、ヘタしたらこのコの方がアタシより早く博士号の学位取るかも(滝汗)
もう一人はアタシより二年も後に入ってきたメキシコ人。彼は修士をアタシと同じ大学院で取ったという繋がりがあったり、ココの博士課程ではアタシがmentor(新入生に担当の上級生が割り当てられる)になって、色々一緒にやってきた人。彼はこの博士課程を猛スピードで駆け抜けて、この秋からは他州の大学の助教授として就職が決まったので、妻子を連れて引越し。

そうそう、これで思い出したけど、あたしの修士時代の同級生が、実は今の大学で立派な助教授というこの過酷な事実(;_;) もちろんその"先生"はあたしより年下。

だけど、うちのプログラムって専門が専門だけに、教授陣も学生もみんなものすごいフレンドリーでサポーティブ。
学生だって先生たちをファースト・ネームで呼び捨てするし、家庭の事情なんかも双方でオープンだし、こうして先生のお家に学生を招待してくれたり。先生たちが全然偉そぶってない。

それで、この送別会、デザート・パーティーということで本来は夜の9時までということだったんだけど、あたしが9時に仕事が終わって駆けつけたときにはまだ随分人がいた。
玄関を入ったら「来た来た!」「よく来たね!」とハグの嵐。
ハグといえば、最近になってやっと自然にできるようになったけど、随分長い間抵抗があった。日本には他人同士でハグする習慣はないんだって初めに言っておいたから、あたしにはハグをしないでいてくれる人が多いんだけど、それでもハグさせて、と言われると断るわけにもいかず、硬直してそのハグを受け入れておりました(^_^;)

ホスト宅の夫婦先生たち以外にもう一人若い女性の先生がいた。
この先生は3年前に、新卒でうちのプログラムの助教授として就任してきた。
あたしの博士論文committeeの一人なんだけど、この前こう言って励ましてくれた。
「私がココのプログラムに来てから、色んな博士論文を見てきたけど、すごいいい論文もある一方で全然大したことない論文もあったわ。そんな論文でも学位取れるんだから、すごい論文を仕上げようなんて思わなくていいわよ。学位取得前の一つのプロジェクト、そう考えればいいのよ。」
彼女はさらに続けた。
「私は、貴女のことを学生と見たことはなくて、ずっと同僚として見てきたのよ。貴女はもう博士号を取ったも同じだわ。」と。
この言葉を聞いて涙が出るほど嬉しかった。
この前出版された本のchapterのことも、その元になったQualifying Examのプレゼンテーションを「素晴らしいプレゼンテーションだったわ」と高く評価してくれている。

ホスト宅の妻先生も「何かできることある?学校にあんまり顔出さなかったら呼び出すからね。これからもっと貴女のこと気にかけるわ。」と言ってくれる。
夫先生にこの前の免許のことをちょっと話たら、全部説明し終える前に「そんなことなら僕に任せとけ!」と言ってくれた。

ああ、自分は何て恵まれているんだろう。
ココには、こうしてあたしのことを、あたしの業績をちゃんと評価してくれて、サポートしてくれる人たちがいる。

日本にはこんなサポートシステムも、評価してくれる人たちもいない。
日本ではあたしはどこの馬の骨かも知らない人間。
それなのに、それでも、やっぱり日本に帰って夢を叶えたい。
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posted by EL at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々の泣き笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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