断る理由もないので、メールすると、それから1−2日後にS先輩から送られてきたメールには分析結果と論文用の結果のセクションが添付してありました。
ぷっつん!
今度はかなり大きな音が聞こえました。
だから、その統計処理はこういう場合には使っちゃいけないってあっちこっちに書いてあるってゆーたやろーが!
と、心の中では思いっきり怒鳴りながらも、メールでは落ち着いて、丁寧に、ちゃんと統計本やらの引用までつけて、これまで何度もしてきた同じ「質問」を再度S先輩に投げかけました。
ちなみに、事情があってS先輩とは直接会って話せなかったので、ずっとメールのやりとりだったんですが、この時にS先輩に宛てたメールを書くのにはいつも半日くらいかかってたんです(統計関係の質問をするための下調べの時間も含めて)。
すると、届いたS先輩からの返事には、早い話が「疲れたから僕もう降りる」と。
なんやとー、降りるのはコッチぢゃあ
と、ココであたしの怒りは頂点に。
でも、怒りは胸の内に押さえて、いえいえ降りるべしなのはあたしの方です、と、S先輩を立てた丁寧なメールを送りました。
ここで、慌てたのがそれまで高見の見物をしていたPIのL先輩。
「二人とも勝手に船を降りることは船長が許しません!」
そしてS先輩からこんなメールが届きました。
「いや、キミは今後の昇進とかに論文が必要なんだから降りるべきじゃない。正直言うと、僕はキミを脅威に感じてたんだ。今まで40年間、誰も僕にチャレンジしてきたことなんてなかったから。」
・・・・・・・・・・・・・・
普通ならこんな風に弱みを見せてくれる相手には優しくなれるんですが、今回はこれを訊いてあたしは呆然としました。
S先輩は40年間チャレンジされなかったことを誇りに思っているかのようで、そんな僕にチャレンジしてきたキミは大したヤツだ、と言いたかったんだと思います(あたしはタダ質問をしただけなんですが)。
でも、それって違うんじゃ?
コレあたしだったら、恥ずかしいと思います。誰からもチャレンジされなかったってことは、40年間大した成長しなかったってことぢゃないでしょうか。
正直、S先輩は何て可哀相な人なんだ、と思ってしまいました。
そんな風にはなりたくないけど、なってしまいそうで、アカデミアの怖さを垣間見たような気がしました。
そして、IPのL先輩(自称「船長」)には、あたしはもうこれ以上この論文に時間を裂くことはできません、自分の論文で書き上げなきゃいけないのがいくつもありますから、と話しました。
相変わらず頑固者のあたしです
納得できない分析結果をつかった論文なんかに共同研究者として名前載りたくないし、自分の論文を書く時間を犠牲にしてまであたしの夏を捧げた論文なのに、あたしの名前がS先輩の後になるのも納得できないし。
そんな論文に、もう一分一秒たりとも費やしたくない、というのがホンネでした。
こうして、あたしの去年の夏は見事に無駄に去って行きました、とさ。
【大学教員へのイバラの道の最新記事】
私は今まで下っ端でやってきたこともあって、共同でやった仕事で結果に納得できたものなんてあんまりないです。。まあ、他の人の論文も、真剣に細部まで読むと納得できないことが多いですが(笑)。
コメントのお返事が年越えしてしまいました。いや、自分ではとっくの昔にコメント返ししたつもりだったんです・・・(言い訳)
自分では共同作業は得意だと思っていたのに、ここにきて共同作業が嫌いになりそうです。納得できるかできないかより、妥協できるかどうかに基準を移した方がよさそうですねぇ・・・(苦笑)