9・11以来、アメリカの入国審査時にはいつもマジに緊張します。だって、一つ間違えて、あるいはたまたま審査官のご機嫌が悪くて、入れてやんないよ、なんて言われた日にゃ、そのまま飛行機乗ってニッポンに逆戻りしなきゃなんないんですから。しかも、入国審査官の態度が年々いぢわるになっているような気がするのは、気のせいでしょうか?
そういえば、アメリカ国外に出たのは一年ぶりなんですが、入国審査場の指紋採取の機械が前のと違ってました。前は確か両手の人差し指だけでよかったのに、今回は指10本全部
今調べてみたら、どうやら2007年の11月末から徐々にあちこちの空港で変わっていったみたいですねぇ。知らなかった。
いいんですけどね、指紋なんて、いくらでもお好きに取ってちょうだい。今更・・・ あたしの両手十本指の指紋はFBIにも既に登録されてるんですからっ(←エバってどーする)
いや、仕事関係の某ライセンスを取ったときに、両手十本の指紋をインクでベッタリ取られましたから。
指紋の話はこのくらいにして、実は今回のアメリカ入国審査場でちょっとした出来事が・・・
今回は某アジア系の航空会社を使ったので、乗客は当然日本人だけじゃなくてその他のアジア人もわんさかでした。
アメリカの某空港に着いて入国審査場でもアジア人わんさか。皆が持ってるパスポートの色も様々。
一番短かった列に並んだんですが、これが何ともサイアクの列だったんです。審査官が三人でその列を処理していたのにもかかわらず、列は遅々として進まず。あっちでもこっちでもみんなひっかかってるし、別室送りにされてるし・・・
すると、同じ列のすぐ前に並んでいる日本語を話す外国籍の男性が、列の後ろの日本人のおばさまたちにこんなことを。
「アジア系の安い航空会社の飛行機が着いたらいつもこんな感じで時間かかるで。JALやったらす〜っと通してくれるけど。パスポートにランクがあるんや。」
・・・・・・・・ウソのようなホントのような。日本のパスポートでよかったというか、なんでやねんというか、喜んでいいのか怒っていいのか
そうこうするうちに、審査官No.4登場。
お、アジア系の人だ、この人ならアジア人に親切かも
と期待を抱いてそのブースの様子を見守っていると、何のことはない、その審査官も他の審査官同様もしくはそれ以上にぶっすーとした表情でぶっきらぼうにお仕事。
あのねぇ、入国審査官さんたちィ、テロとか不法移民とかタイヘンなのはわかるよ。でも、ここにいる大半の人たちはアメリカに観光に来てお金を落としてくれる大切なお客さんなんですよ。そのお客さんにそういう態度はないでしょー
ったく・・・、この人たちは一体どういう訓練されてるんでしょーねぇ。フレンドリーにしたり礼儀正しくしたら、テロが見破れないとでも言うんでしょうか
でも、ニッポンの入国審査官もニコリともしなければ、コトバを発することもなかったりしますが
そんなことを考えながら、まあ、あたしは乗り継ぎに3時間もあるからいいけど、とボ〜ッとしてたら突然どこからともなく“Do you speak Japanese?”という声。
咄嗟にその声のする方を振り向いたら、あのアジア系審査官と目が合って、“Do you speak Japanese?”ともう一度言うので、思わず頷いてしまいました。で、そのブースを見てみたら日本人らしき女性が不安そうな顔でこっちを見ているぢゃありませんか。
これで状況がわかったんですが、てゆーか、列の他の人たちっ、さっきまでキミら日本語しゃべっとったやんけー
その女性は英語があまり話せないらしく、通訳しろというわけでした。いや、そのアジア系審査官のヤツは、通訳してくれとも言わないで、イキナリこっちに向かって英語でその女性への質問をしてくるし。アンタは礼儀も知らんのかいっ。
それで、とりあえず通訳をしたんですが、あたしはそのブースから少し離れたところにいたので、あたしもその女性も大声で話さなきゃいけなくて、しかもその審査官ときたら不躾な質問を人をバカにしたような態度で大勢の前で平気でするし、その女性が気の毒で・・・
どうやら、この審査官はその女性が仕事をしていないというのを聞いて、アメリカで不法就労&不法滞在するつもりじゃないかと疑ったようでした。帰りの飛行機を予約していると知って、やっと納得したようでしたが。
その女性はブースから解放される直前にあたしの方を向いてありがとうございますと会釈してくれましたが、肝心の審査官のヤツときたらこっちを見もせずに“Thank you for your help.”といかにもめんどくさそーにボソッと。
オマエは一体何様のつもりじゃーっ
とキレそうになりましたが(←最近キレやすい?)、審査の順番でコイツに当たったら面倒なことになる、と思ってグッと我慢しました。
その女性が無事解放されたので、ホッとして周りを見回したら他の列はもう人がいないじゃないですかっ。しかも、あたしの列もあたしの後ろに数人いるだけで、その後にいた人たちは空いた列に回されてもういないし。
そしてあと一人であたしの番、てゆーか、これじゃあのアジア系審査官に当たってしまうううっ!
という危機一髪のところで、係りの人が空いているブースへと誘導してくれました。そしてたどり着いたブースで待ち構えていたのが、女性の審査官。
“Good morning. How are you?”
をををををっ!ニコッとはしてくなかったけど、ちゃんと挨拶してくれたあ
その後はいつものやりとり。
「何故ここに来ましたか?」
仕事で。
「何の仕事ですか?」
大学の教員です。
「何を教えてますか?」
xxxxxです。
「OK、じゃ、そこに指4本揃えて置いてください。」
・
・
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“Thank you. Have a good day.”
か、感動
あの酷い対応を目の当たりにした後だけに、こういうフツーの対応が何とも有難く、にっこにこ♪で審査場を後にしたあたしでした(←単純な人)
ところで、入国審査といえば、あたしはいつもだいたい今回みたいな最低限の質問でパスしてもらってます。9・11の前はノークエスチョンがほとんどだったし。
これはあたしの専門の特徴なんですが、何を教えているかを言うと、審査官も一般の人もたいていスッと身をかわしていきます(苦笑)たまに逆の場合もあって、そういうときは自分の職業を呪いますが。
そうそう、かつて一度、入国審査官に職業を聞かれて、そのあと審査官が「今の世の中ってやつは」と語りだしてそれに付き合わされたことがあります。後ろ、並んでるのに・・・
別室送りになったことも一度だけあるんですが、その時も別室で特に何か問い詰められたわけではなく、書類をささっとチェックして終わりでした。
あの日本人女性がアメリカ観光を楽しんでいますように。
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