2005年12月24日

メリー・クルシミマス

世の中はクリスマスで、勤務先の大学では先週ファイナルが終わって18日に教員の契約が終わったので、それ以降は役職つきの先生たちの姿がパラパラとある程度で、事務とかスタッフの人たちも週の半ばあたりから姿を消して、昨日の午後にはすっかりガランとしてしまいました。
それなのに、クリスマスイブの今日もオフィスにいたあたし。
先週授業の最終日を無事終えて、それからもう毎日、朝から晩まで土曜も日曜もオフィスにこもって何を隠そう、博士論文、やってるんです。

というのも、実は“また”問題が起きていたんです。

あれはひと月以上前のこと、Missing Value Analysis(MVA:欠損値分析)をやらなきゃならないことになって、SPSS(統計ソフト)のMVAを初めていじり始めたんです。
周りにMVAのことを知っている人が誰もいないし、統計に詳しいCommitteeの先生は砂漠だし、どういう仕組みになってるのかそれで何がわかるのか、手探りで試行錯誤するしかなかったんです。ところが、担当授業のペーパーの採点やらで論文作業に手が回らなくなって、数日してから再びイザMVAいじり手(グー)と思ったら、エラーメッセージが?

「ライセンスが切れました・・・」

あん?SPSSのライセンスはこの前更新したはずだけど???
と調べてみたら、SPSSの他の通常の分析は問題なく作動するぢゃありませんか。
大学のIT(情報技術部門)の人に訊いてみても、そんなの聞いたことがないという返事。
仕方なしにSPSSにメールで問い合わせたら、SPSS13のMVAモジュール(附属のモジュールだなんてどこにも書いてないんですけどむかっ(怒り))はお試しヴァージョンで14日しか使えません、という返事。それ以上使いたかったらMVAモジュールのライセンスを買え、と。
そのライセンスってハウマッチ?と思いきや、何と“1ライセンス”あたり$500近くもするそうなexclamation×2
MVAっていうモジュールがあることすら知らなかったうちのITは当然そんなライセンス代を予算に入れてるわけはなく、SPSSを最新の14にアップデートするのさえ渋ってるうちの大学には$500は大金(いやホント)。
てゆーか、うちの教員さんたち誰も今までMVA使ってないんかいexclamation&question(みんなちゃんと研究してるのかしら・・・)

これまでの時点でたまたま「博士論文進んでる?」と聞いたうちのプログラムのディレクター(学科長?)が、あたしとITさんのこの大騒ぎにすっかり巻き込まれていて、どうにもならなかったらこの前雇用契約の時に学部長先生に交渉してゲットした初期費用を使って自分で買います、と言うあたしに「いや、キミの研究にこれからも必要なものなんだったらうちの大学が買うべきだ」と言って財務担当とか学長クラスのエライさんたちにかけあってくれると。
おまけにその間僕のラップトップ使っていいよ、とまで(T_T)
結局そのディレクター先生のラップトップを2週間借りて、そこにインストールされているSPSSでMVAがもう14日間使用可能になりました。
その間に何とか分析が終われば、というのは夢のまた夢。学期末でバタバタしているうちにとうとうその14日が切れる前日。

途方に暮れたあたしが博士課程の大学の友だちと電話でそのことを愚痴っていたら、その友だちの持っているSPSS11にもMVAが入っていることを発見。
あたしの勤務先の大学にもSPSS11があってITさんと調べたんだけど、それにはMVAは入ってなかったハズ・・・?
よく聞いてみたらその友だちのSPSSはどうやら“特殊な”代物らしくライセンスが切れることがないとか何とか(ごにょごにょ)(←あまり深く追求しないでくださいあせあせ(飛び散る汗))FedExの翌日便で早速送ってもらって、無事ゲット。
最悪の場合はこれで何とかたらーっ(汗)

そして二つ目のMVAのお試し期間が切れる当日。
14日って14日できっちり切れるんだろうか、だとしたら夕方のX時頃かな、と思ってドキドキしながら使っていましたが、その時間を過ぎても快調に作動し続けるMVA。
ひょっとしてひらめきと思ってSPSSを一旦クローズして再起動してMVAを実行してみたら、案の定「ライセンスが切れました」のエラーメッセージ。ついに年貢の納め時ふらふら

その週明けにディレクター先生から一通のメールが。

「SPSS13のMVAモジュールのライセンス買ってもらえることになったから。」

は?え??えええっ!ぶらぼーーーーっ!!!
そのメールにはエライさんたちとディレクターとのやりとりが残ってて、どうやらライセンスコードは次の日になる模様。でもアメリカのことだし次の日って言ってもいつになることやら・・・
と、期待薄で迎えた次の日、夕方になっても連絡なし。やっぱり今日はダメか、と思ったところでITさんが颯爽とマイ・オフィスに登場。
どうやらディレクター先生がライセンスコードをゲットしたらしく、それの入力と動作確認もかねてITさんを派遣してくれたらしい。
ITさんの作業中にディレクター先生もマイ・オフィスを覗きにきて、二人が見守る中あたしがMVAの動作確認。

RUN!(実行)



う、動いたぁー!!!\(^o^)/

ディレクター先生の前なのも構わず思いっきりバンザイをしたあたし。ITさんもガッツポーズ。

ITさんとディレクター先生に握手してお礼を言って、何故か三人ともすごい感動の渦に巻き込まれて無事一件落着手(チョキ)

そんなわけで、やっと心置きなくMVAが使えるようになってからというもの毎日朝から晩まで土曜も日曜もデータと向き合う今日この頃のあたしです。

ちなみにファイナルペーパーの採点まだ終わってなくて、成績もまだ出してないんですけど・・・あせあせ(飛び散る汗)
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posted by EL at 23:59 | Comment(7) | TrackBack(0) | 日々の泣き笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
神はしばしば我々に途方もない苦難をお与えになります。

興味深いプログラムですね。時間が大事な軸になる経済学ではTSPという時系列分析の統計プログラムが有名ですが、欠損値分析はできたかなあ。欠損部分に"outlier"入ってると話変わっちゃいますもんね。
Posted by bun at 2005年12月26日 19:07
SPSSのライセンスってそんなに高いんですか・・。
私が使っているのはTSP、STATA、GAUSSというソフトですが、
古いバージョンはライセンス契約等がないので、
ずっと更新せずに古いまま使っています。

博士論文、がんばってくださいね!
Posted by LEO at 2005年12月27日 12:47
>bunさん
ほんと“しばしば”・・・(>_<)
専門分野によって使われている統計プログラムって色々違うんですねえ。

>LEOさん
SPSSそのもののライセンスはまた別なんです(-_-) MVAは追加のモジュールでそれに$500も取っておきながら、Multiple Imputation(多重代入法)がないし・・・ うちの分野ではほとんどの人がSPSS使ってるんですが、こんなことならSTATAとか勉強しておくんだった(T_T)
Posted by EL at 2005年12月28日 03:23
欠損値の分析は、確かフリーのプログラムがいくつかあったと思います。

SPSSのそれは、いまいち解析結果が使いづらいと聞いています。欠損値に関して、そんなにコメントしない論文も多いですよね。内容によりけりですが。
Posted by ame-o-w at 2005年12月29日 00:45
しぃーっ!フリープログラムがあるのはナイショです(^_^;) いや実は色々フリーのをダウンロードしてみたんですが、何かと制限があったり、使いこなせなかったり・・・ SPSSのMVAも近いうちにMIを導入するに違いない、と信じて疑わないのでありました(大汗)
おっしゃるとおり、パブリッシュされてる論文には欠損値に関するコメントはほとんどないですね。今まではそれだけ重視されてなかったってことでしょうが、今後は重視されるようになる、に三万点!
Posted by EL at 2005年12月29日 17:28
あわわわわわわわわ・・・・・すいません。口にバッテン書いておきます・・・
Posted by ame-o-w at 2005年12月30日 11:49
口にバッテン、ってMiffyちゃんみたいなかわいい姿を想像してしまいました(笑)
いや無理言って$500もするのを買ってもらったのでそれ使わないと罪悪感が・・・(;^_^A
Posted by EL at 2005年12月30日 19:54
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